それでも、職人さんの手は美しい
どーもです。
ハンドメイドアクセサリー・ネット販売1年生の ガーネット です。
いまさら な感じですが、頑張ってます。
モラハラ夫に挑発され、去年の7月からハンドメイドネット販売サイトでアクセサリー屋を始めました。
まだまだ、未熟な1年生です。
今日は私がジュエリー工房で職人修行していた頃のお話です。
実は、すご~く地味
ジュエリー工房なんて聞くと、
『まぁ、素敵な響き』と感じる方も多いかも。
実はね、とっても地味~な感じなんですよ。
私がお世話になった工房は、主に高級ジュエリー店からの外注品を扱っていました。
ダイヤを始め、いろんな宝石があちこちにゴロゴロ・・・
1カラットを超える石もざらです。
工房の地味さ加減とは不釣り合いな感じすらしましたよ。
そこで制作している熟練職人さんたちも、地味~なおっちゃんでした。
おじいちゃん? くらいの方もいましたね。
出来上がったジュエリーは、それはそれは優雅で美しいものばかり。
それを作ったのは、こちらの “おっちゃん” です。
って言ったら驚くかもしれませんね。
素晴らしいものを生み出すのは大変なこと
とても熟練には程遠いですが、そこで一通りの工程作業を学びました。
その工房ではキャスト製法(鋳造した金属を磨き、空枠にして石を留めたりする)でしたが、鋳造した地金(プラチナや18k)をまず磨きます。
ルーペで見ても傷一つ無いくらいに、そりゃあもうピッカピカに。
『バフ』(設備の名前)って言って、大きい円盤状の布の塊みたいのが機械でグルグル回っているところに、地金を押し付けて磨く作業なんかもあるんですが、
それがもう熱いのなんの。 摩擦熱、半端ないです。
リングくらいの大きさでも、持つ所はほとんどないんですよ。(しっかり持ってないと磨けません。)
研磨剤とか付けますし、それが顔に飛ぶ飛ぶ。
慣れないうちは、指はほぼ火傷に近い状態だし、顔も手もすごく汚れるから、一日に何度も洗ってガサガサになりました。キツイ仕事だな~。
出来上がりの美しさの裏側には、こんなに苦労があるのだと思いました。
綺麗な指輪を作って、その代わり自分の手は指輪が似合わないガサガサの指になるなんて。
当然なんですよね。
私はたまたまジュエリー工房でしたが、ガラスをやっている方も、陶芸の方も、革を扱う方も、どんな作家さん・職人さんでも、その苦労たるや、並大抵のものではありません。
それでも職人さんの手は美しい
私は、綺麗な石が大好きで、自分で綺麗な指輪を着けるのも好きで、そんなものを自分でも作り出したいと思って、工房で修行させていただきましたが、結果、自分ではジュエリーを身に着ける事がほとんどなくなりました。
私は、ものを作る喜びと引き換えに、身に着ける喜びを失くしたことになります。
なんか皮肉な話だな・・・。
それでも私は、工房の熟練職人さんの手はとても美しいと思いました。
出来上がったジュエリーとは、およそ似つかわしくない、タコと長年染み付いた研磨剤で黒くなったその手はとても美しいと思いました。
その手は素晴らしいものを生み出せるプライドのようなもので輝いて見えたからです。
ちょっと、クサかったですね~。
私の理想
私は今、ハンドメイドネット販売サイトでアクセサリーを販売している訳ですが、そこで扱っているものは工房時代のような本格ジュエリーでもなく、バフも火傷もありません。
今の私の専門は天然石とワイヤーアートです。
ワイヤーを加工するにはペンチを使うのですが、細いものから、かなり太いものまでワイヤーを扱っていると、ペンだこならぬ、ペンチだこができます。
もちろん、爪を伸ばしてキレイにネイル。なんてこともありえませんし、伸ばすどころか、親指の爪なんて先が変な風に削れています。
バフも火傷もないけれど、それでも手が綺麗なままというわけにはいかないのです。
お客様に綺麗なアクセサリーを売っている私の手は、アクセサリーが似合う手ではないのです。とても醜い手かもしれないし、見たらがっかりされる方がいるかもしれません。
だけど私は、あの地味~な工房で黙々と作り続ける熟練おっちゃんたちのような、プライドで輝く美しい手に一歩でも近づきたい。
・・・と思う今日この頃なのでした。
“いまさら” な奮闘は、まだまだつづきます・・・ (・ω・)ノ